不動産売却をするなら地元不動産会社と大手不動産会社どっちがよい?
地元不動産会社は地域情報に詳しく、コミュニケーションが取りやすいですが、顧客数が少なく、認知度も低いのがデメリットです。大手不動産会社は顧客数が多く、資金力がありサービスが充実していますが、柔軟な対応が難しく、仲介料の値引きも難しい場合があります。また、両手仲介になることが多いです。売却時には物件の特性に応じて地元と大手の選択が重要です。
目次
地元不動産会社のメリット・デメリット
ここでは、地元不動産会社のメリットとデメリットについて、具体的に解説します。
◇メリット
・地域の情報に詳しい
地元不動産会社は、大手に比べて特定のエリアに特化してビジネスを行っており、その地域ならではの情報や特性、さらにはローカルルールにも詳しいことが多いです。不動産売買において重要な地域情報を活用して、スムーズな売却が期待できます。
・コミュニケーションがとりやすい
地元不動産会社は親身に相談に乗ってくれる傾向があります。大手に比べて一度に抱える案件数が少ないため、担当者と密にコミュニケーションを取ることが可能です。良好なコミュニケーションが築ければ、依頼や相談がしやすくなり、安心して売却を進められるでしょう。
・片手仲介になりやすい
地元不動産会社では、「片手仲介」と呼ばれる形態が多くみられます。大手では売主と買主の両方を仲介する「両手仲介」が一般的ですが、地元不動産会社では、売主のみを顧客とする「片手仲介」での取引が主流です。この方式では、売主の利益を最優先に考えた売却を進めてもらえるため、売主にとって有利な取引が期待できます。
◇デメリット
・顧客数が少ない
大手に比べると、地元不動産会社は顧客数に大きな差があり、買主候補の数が少ないため、売却先の選択肢や売却のチャンスが制限される可能性があります。
・得意分野・不得意分野がある
大手は企業規模が大きく、分社化によって各分野で専門性を高めることができますが、地元不動産会社では、限られた社員数で複数の業務を分担していることが多く、対応できる案件に限りが出てしまう場合があります。
そのため、社員によって得意・不得意な分野が生じやすく、例えば、一戸建てに詳しい社員がマンションの売却を担当すると、売却がうまく進まない可能性もあります。
・認知度が低い
地元不動産会社は、大手に比べて認知度が低いことも課題です。大手は資金力を活かして大々的な広告を展開できるため、買主の目にとどまる機会が多く、認知度も高い傾向があります。一方、地元不動産会社は広告や宣伝にかけられる予算が限られているため、認知度が低く、買主からの認知が少ないことで、売却のハードルが上がるリスクがあります。
大手不動産会社のメリット・デメリット
ここでは、大手不動産会社のメリットとデメリットについて詳しく解説します。
◇メリット
・顧客数が多い
大手不動産会社は、地方ごとに支社を持ち、物件購入希望者からの問い合わせや相談を受け付けています。その結果、全国規模で顧客リストを共有し、効率的に買い手と売り手をマッチングさせることが可能です。売買がスムーズに成立する確率が高まり、地元不動産会社と比べて、より広範な買い手層にアプローチできるというアドバンテージがあります。
・資金力がある
不動産売却における広告活動は、インターネット掲載や折込チラシなどが主ですが、大規模な広告を展開するためには多額の資金が必要です。大手不動産会社はこの点で圧倒的な資金力を持ち、大規模な広告活動を実施することが可能です。
・サービスが充実している
売却だけでなく、賃貸、不動産投資、新築・中古住宅の購入など、幅広い事業を手がけているため、不動産を売却する際に、引越し先の物件探しやその他の関連サービスも一貫して提供してもらえるのが魅力です。
◇デメリット
・柔軟な対応が難しい場合がある
大手では、基本的にマニュアルに沿った対応が行われるため、「この物件はこうすればもっと高く売れる」といった個別のアドバイスや柔軟な対応を受けることが難しいです。
また、営業担当者が多数の顧客を抱えているため、親身に相談に乗ってもらいながら売却を進めたい場合には、大手はあまり向いていないかもしれません。
・仲介料の値引きは難しい
大手不動産会社は、会社を維持するための間接経費が多く、また営業担当者には厳しいノルマが課されています。そのため、仲介手数料の値引きに応じてもらえないことが多いです。中小の不動産会社では、社長がその場で値引きを即決するケースもありますが、大手ではそのような柔軟な対応は稀です。
・両手仲介になりやすい
両手仲介とは、売主と買主の双方と契約し、双方から仲介手数料を得ることを指します。この方式では、不動産会社が売主と買主の両方を顧客とするため、会社側の利益を優先しがちで、売主にとって必ずしも最良の条件が得られない場合があります。
地元不動産会社と大手不動産会社どっちが向いている?
画像出典:フォトAC
ここでは、それぞれの特徴を比較し、あなたのニーズに最も適した選択肢を見つけるためのポイントをご紹介します。
◇地元不動産会社が向いているケース
・郊外や築年数の建っている物件を売却したい
地元不動産会社は、その地域特有の情報に精通しており、地元ならではの需要に応じた柔軟な対応が期待できます。
また、築年数が経過した古い物件の売却を希望する場合にも、地元不動産会社が適しています。地域に根ざした不動産会社は、古い物件に対してもその価値を理解し、適切なアプローチで買主を見つけることができるでしょう。
・地域特性に合わせて建てられた物件に対応してもらいたい
地元不動産会社は、地域に密着した営業活動を行っているため、その地域に特有のニーズや市場動向を把握しています。これにより、地域に特化したアプローチで、独自の人脈を活かして買主候補を見つける可能性が高まります。
◇大手不動産会社が向いているケース
・スムーズに売却したい
大手不動産会社は全国規模のネットワークを持ち、幅広い広告宣伝の手段や豊富な取引経験、売却実績があります。多くの顧客を抱えており、知名度の高さや多彩なサポート体制を活かして、納得のいくスムーズな売却が期待できます。
・需要のある物件を売却する
売却予定の物件に需要が見込まれる場合も、大手不動産会社に依頼するのが効果的です。都市部や主要駅の近くなど、不動産需要が高い地域では、大手不動産会社が持つ豊富な取扱実績と多くの買主候補が活用されるため、納得のいく価格での取引が期待できます。
不動産売却選びのポイントとは?
不動産売却を成功させるためには、適切な選択が不可欠です。売却にあたっては、信頼できる不動産会社の選定や、効果的な売却戦略の策定が重要なポイントとなります。
ここでは、不動産売却を成功に導くための選び方のポイントを詳しく解説します。
◇実績をチェックする
不動産会社を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを考慮することが必要です。まず、不動産会社の実績をチェックすることが大切です。
例えば、マンションの取引実績が豊富である一方、一戸建ての実績が少ない会社に一戸建ての売却を依頼するのは不安が残るかもしれません。
◇査定の根拠を確認する
査定の根拠をしっかりと確認することも重要です。不動産売却を進めるには、まず物件の査定を依頼しますが、その査定価格の根拠を担当者に詳しく聞くことをおすすめします。
査定の根拠が曖昧だったり、他の類似物件と比べて極端に価格が違ったりする場合は注意が必要です。販売価格は査定価格を基に売主が決めるため、適切な価格設定が売却の結果に大きく影響します。
◇売却予定の物件の特性で選ぶ
売却したい物件の立地条件や特性に応じて、不動産会社を選ぶことも重要です。人気エリアにある物件を売却する場合、集客力の高い大手不動産会社に依頼すると、購入検討者からの問い合わせが多く、早期売却が期待できます。
地元不動産会社のメリットは、地域特有の情報に詳しく、コミュニケーションが取りやすい点です。片手仲介が多く、売主にとって有利な取引が可能です。しかし、顧客数が少なく、対応できる分野に限りがあり、認知度が低いのがデメリットです。
大手不動産会社のメリットは、顧客数が多く、資金力があり、サービスが充実している点です。広範なネットワークでスムーズな売却が可能ですが、柔軟な対応が難しく、仲介料の値引きも難しいです。また、両手仲介になりがちで、売主の利益を優先しないことがあります。
売却の際には、物件の特性に応じて地元と大手のどちらが適しているかを考慮することが重要です。