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不動産売却コラム

土地を売却する際に注意したいポイントと売却までの流れ

公開:2024.08.27 更新:2024.08.30
土地を売却する際に注意したいポイントと売却までの流れ
引用元:フォトAC

土地を売却する際は、登記簿謄本の名義確認と相続土地の名義変更、必要書類の準備、境界の確定が重要です。売却の流れは、事前準備、査定依頼、媒介契約、価格設定、売却活動、条件交渉、契約、引き渡し、確定申告です。成功には相場把握や希望価格の明確化、複数の不動産会社への査定依頼が必要です。また、共有名義や相続、古家付き、貸地、ローン残債などの特殊ケースにも注意が必要です。

土地を売却する前に確認したいポイント

土地を売却する際には、スムーズかつ適切な取引を実現するために、事前に確認しておくべき重要なポイントがいくつかあります。売却価格の設定や法的な手続き、土地の状態、周辺環境の調査など、考慮すべき要素が多岐にわたります。

ここでは、土地売却の際に押さえておきたい主要な確認ポイントを紹介します。

◇名義変更

土地を売却する前に、まず確認すべき重要なポイントは、登記簿謄本の名義が正確に売主に変更されているかどうかです。登記簿謄本は、不動産の所有者や地番などが記載された重要な書類であり、これにより土地の所有者を特定できます。

特に相続で取得した土地の場合、名義変更がまだ行われていないケースがあるため、事前に司法書士に依頼して名義を変更することが必要です。名義が正確でない場合、買主に不安を与え、売却が困難になる可能性があります。

◇必要書類

土地を売却する際には、以下の3つの書類を揃えておくことが重要です。まず、権利証または登記識別情報通知書です。権利証は2005年以前のもので、登記識別情報通知書は2005年以降に発行される書類です。これらは土地の所有権を証明するもので、売却時に買主に引き渡す必要があります。

次に、実測図が必要です。最後に、土地購入時の売買契約書も準備しておきましょう。これらの書類が揃っていない場合は、不動産会社に相談し、代替方法を確認してください。

◇境界の確定

土地を売却する際には、境界が確定していることが重要です。境界には、道路との境界(官民境界)と隣地との境界(民民境界)の2種類があります。

境界が確定している場合には「確定測量図」が存在しますが、これがない場合は測量会社に依頼して作成してもらう必要があります。確定測量図がないと、境界の確定に時間がかかり、売却が難しくなることがあります。

土地を売却する際の流れ

査定報告書

画像出典:フォトAC

土地の売却は多くのステップが関わる重要なプロセスです。適切な手順を踏むことで、スムーズに取引を進めることができます。ここでは、土地売却の一般的な流れと各ステップの詳細について解説します。

◇1.事前準備

土地を売却する前には、登記簿謄本の名義が正確か確認し、相続の場合は名義変更が必要です。必要書類として権利証または登記識別情報通知書、実測図、土地購入時の売買契約書を準備し、境界が確定していない場合は測量を依頼します。

◇2.査定依頼

土地を売却する際は、現況把握と必要書類の準備が整ったら、一括査定サービスを利用して複数の不動産会社に査定を依頼します。査定額は会社によって異なるため、比較検討しやすくなります。

◇3.媒介契約の締結

一括査定後、不動産会社を選び、媒介契約を結びます。選ぶ際は、査定価格だけでなく、売却実績や周辺物件の売却実績も考慮しましょう。

媒介契約には「一般媒介契約」 「専任媒介契約」 「専属専任媒介契約」の3種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを確認し、売却希望時期や条件に合わせて最適な契約形態を選ぶことが大切です。

◇4.売却価格の決定・売却活動の開始

媒介契約後、査定価格を参考に売り出し価格を設定します。価格決定後は、土地の情報開示を行い、売却活動を開始します。見学対応は不動産会社に任せつつ、土地の見映えを整えましょう。

◇5.価格・条件交渉と契約・引き渡し

購入希望者が現れたら、不動産会社を通じて価格や条件を交渉します。合意後、売買契約を締結し、契約書や重要事項説明書を確認・署名します。引き渡し時には売買代金を受け取り、必要書類を渡します。

◇6.確定申告

不動産売却をした翌年は、必ず確定申告を行いましょう。売却益が出た場合は「譲渡所得の申告」、売却損が出た場合は「譲渡損失の申告」を行い、特例による控除の確認も忘れずに行ってください。

土地の売却を成功させるポイントとは?

土地の売却を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

◇相場を調べる

土地を高く売却するには、まず相場を把握することが重要です。相場を調べるためには、不動産ポータルサイトで近隣の物件の価格を確認したり、レインズの「全国の不動産価格データ」を参照したりすることで、土地価格のおおよその相場をつかむことができます。

また、「公示地価」や「路線価」も有用な情報源です。これらは国土交通省のホームページから簡単に確認でき、土地の価値を正確に把握する手助けになります。適正価格で売り出すためには、これらの情報を活用して市場価格と照らし合わせることが大切です。

◇希望を明確にする

土地を高く売却するためには、まず「売却希望価格」と「売りたい時期」を明確にすることが重要です。希望価格が不明確だと、値下げ交渉が進み、納得できない価格での売却を余儀なくされる可能性があります。

また、売却時期を設定しないと、土地が長期間売れ残り、市場価値が低下するリスクがあります。これらのリスクを避けるためには、売却希望価格と売りたい時期を具体的に設定し、これに基づいて売却活動を進めることが成功への鍵です。

◇複数の不動産会社に査定依頼する

土地を高く売るためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが大切です。不動産会社によって査定額は大きく異なるため、一社だけでは正確な価格がわかりません。複数の会社に査定を依頼することで、より多くの意見を集め、相場に基づいた適正価格を見極めることができます。

一括査定サービスを利用すると、簡単に複数の不動産会社に査定依頼ができ、自分の土地に精通した会社を見つけやすくなります。また、査定額が最も高い会社を選ぶだけでなく、信頼性や実績、販売戦略も考慮して選ぶことが重要です。

土地を売却する際に注意したいケース

土地を売却する際には、いくつかの注意すべきケースがあります。これらのポイントに注意することで、スムーズな売却を実現できます。

◇共有名義の土地

共有名義の土地を売却するには、全員の同意が必要です。売却手続きには、共有者全員の身分証明書や実印、印鑑証明書、住民票などが求められます。

◇相続した土地

相続した土地を売却するには、まず名義変更が必要です。相続税の納税期限は相続開始から10カ月以内であるため、早めに売却活動を開始することが重要です。

◇古家付きの土地

古家付きの土地を売却する際、特に築20年以上の木造家屋は資産価値が低いため、古家付き土地として販売します。解体費用の負担がネックとなることが多く、長期間売れない場合は売主が解体費用を負担して、更地での販売を検討しましょう。

◇貸している土地

貸している土地を売却する際は、借地人の承諾が必要です。また、土地に建物がある場合は、その所有者との協議も忘れずに行う必要があります。

◇ローンが残っている土地

ローン残債のある土地を売却する際は、残債を一括返済できるかが重要です。一括返済が難しい場合は、任意売却など他の方法を検討する必要があります。


土地を売却する際には、スムーズな取引のために事前に確認すべき重要なポイントがあります。

まず、登記簿謄本の名義が正しいか確認し、相続で取得した土地は名義変更を行う必要があります。次に、売却に必要な書類を整え、境界が確定していることも重要です。

売却の流れとしては、事前準備後に査定依頼をし、媒介契約を締結します。価格設定と売却活動を行い、条件交渉と契約を経て引き渡しを行います。確定申告も忘れずに行いましょう。

売却成功には相場把握や希望価格の明確化、複数の不動産会社への査定依頼が重要です。また、共有名義や相続、古家付き、貸地、ローン残債などの特殊ケースにも注意が必要です。