一戸建ての不動産売却をする際に確認したいポイントとは?注意点についても解説
一戸建てはマンションや土地に比べて売却が難しく、特に需要が減少しています。売却方法は「仲介」と「買取」があり、仲介は相場に近い価格での売却が可能ですが時間がかかり、手数料も発生します。買取は迅速な現金化が可能ですが、価格が低くなることがあります。買取保証を利用する方法もあります。
売却時は価格や費用、必要書類を確認し、権利関係や建物の状態もチェックが必要です。築年数が古い物件は、更地にしてから売却するか、現状のまま売却するかを選べます。
目次
一戸建ては売却しづらい?
一戸建ては、マンションや土地に比べて売れにくいといわれています。これは、一戸建ての需要がマンションや土地に比べて低い傾向があるためです。特に近年では、お子さんがいる世帯の減少により、一戸建ての需要がさらに低下しています。
一人暮らしやご夫婦で暮らす場合、一戸建ては広すぎて持て余してしまうことが多く、マンションのほうが好まれる傾向があります。そのため、一戸建てを売却する際には、売れやすい時期を狙うことが重要です。
◇一戸建てを売却する方法
不動産売却で一戸建てを売却する方法には、主に仲介と買取があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、どの方法が適しているかは、売却の理由や状況によって異なります。
仲介は、不動産会社に買主を探してもらい、相場に近い価格で売却できる可能性がある一方、売却までに時間がかかることがデメリットです。
一方、買取は、不動産会社に直接買い取ってもらう方法で、買取価格に納得すればすぐに現金化できるのがメリットですが、相場価格よりも安くなることが多いです。
また、買取保証という方法もあり、一定期間仲介を試みて買主が見つからなかった場合に、不動産会社に買い取ってもらうというものです。この方法では、仲介による高値売却を試みつつ、期限がある場合でも確実に売却できる安心感があります。
どの方法を選ぶかは、売却の理由や状況に応じて判断することが重要です。売却を急いでいる場合は買取を、時間に余裕がある場合は仲介を、期限が決まっている場合は買取保証を検討するとよいでしょう。
一戸建ての売却を依頼する前に確認したいポイント
一戸建ての売却を検討する際には、成功に向けて事前に確認すべき重要なポイントがあります。物件の価値を正確に把握するための査定や、売却時の手続きの流れ、さらには市場での競争状況などを理解することが大切です。
ここでは、一戸建ての売却をスムーズに進めるために確認すべきポイントを詳しく解説します。
◇売却価格とスケジュール
希望する売却価格とスケジュールを整理することが大切です。売却には諸費用が発生するため、希望価格を決める際にはこれらの費用を考慮し、実際の相場と照らし合わせる必要があります。自宅周辺の売出物件を調べることで、相場感を把握することができます。
◇必要となる費用
売却にかかる諸費用を確認しておきましょう。仲介手数料や印紙代、登記関係費用、測量費用、解体費用、税金、引越し費用などが発生します。ローンが残っている場合は、一括返済手数料もかかることがあります。これらの費用を把握しておくことで、売却計画をスムーズに進めることができます。
◇必要書類
売却に必要な書類を手元に揃えておくことも重要です。身分証明書や実印、印鑑証明書などの基本書類に加え、権利証や登記識別情報通知書、固定資産税納税通知書、購入時の売買契約書や重要事項説明書、測量図、境界確認書などが必要です。これらの書類を事前に準備しておくことで、売却手続きがスムーズに進みます。
◇権利関係や建物の状態
土地の権利関係や建物の状態を確認することも欠かせません。土地の範囲や接道状況、道路の種類などを明確にしておくことで、査定額や売却後のトラブルを防ぐことができます。
建物の欠陥や状態も確認し、雨漏りやシロアリの害などがないか事前に調査しておくことが重要です。売却後3ヶ月以内に欠陥が発見された場合、契約不適合責任を負う必要があるため、事前の確認が必要です。
一戸建ての売却をする際に注意したいケース
画像出典:フォトAC
一戸建ての売却を行う際には、注意が必要なケースがいくつかあります。ここでは、一戸建ての売却を成功させるために注意すべき具体的なケースと対策についてご紹介します。
◇離婚時の共有不動産
離婚に伴い共有名義の一戸建てを売却する場合、売却後に手元に残ったお金は基本的に財産分与の対象となります。もし残債があり、他の財産で補填できない場合は、任意売却を検討する必要があります。
また、共有名義のままではトラブルが生じやすいため、住宅ローンの共同名義も解消しておくことが無難です。
◇相続した不動産
相続や贈与を受けた一戸建てを売却する場合、まず名義変更を行わなければ売却はできません。相続税の納税期限は、相続の開始を知った日の翌日から10カ月以内と定められているため、売却で得た資金で相続税を支払う予定がある場合は、できるだけ早く売却活動を開始することが重要です。売りにくい物件であれば、買取を視野に入れることも考慮しましょう。
◇住み替えや買い替えする場合
住み替えや買い替えで一戸建てを売却する場合、特に住み替え先がコンパクトな住まいになる場合には、しっかりと荷物の整理を行うことが重要です。新居に移る際には、現在の家具や家電が新しいスペースに適しているかどうかを事前に確認しましょう。
特にお気に入りの家具がある場合、それが新居に収まらない可能性も考えられますので、配置の計画やサイズの確認を早めに行っておくことが必要です。必要に応じて、新居に合わない家具や家電は、売却や譲渡、処分などを検討することもひとつの選択肢です。
築年数が古い一戸建ては更地にしてから売却するケースも
築年数が古い一戸建ての売却には、いくつかの選択肢があります。その中で、更地にしてから売却するケースもあります。
◇そのまま売却する
エリア内で中古一戸建ての需要が多い場合、築年数が古くても建物を残して売ることが得策です。
特に、現在の法律では同じ規模の建物を建てられない場合には、建物を残しておく方が有利です。たとえ建物自体にあまり価値がなくても、取り壊し費用をかけて更地にするよりも高く売れる可能性があります。リフォームの有無については、不動産会社と相談するのがよいでしょう。
◇建物を取り壊して売却する
新築住宅が多く建てられているエリアでは、古い一戸建ては取り壊して更地にする方が有利な場合があります。更地は買い手にとって、取り壊しの手間がかからず、すぐに新居の建築に取り掛かれるため、好まれる傾向があります。
ただし、取り壊しのタイミングについては、不動産会社のアドバイスを受けて決めることが重要です。
◇建物を取り壊し、分筆して売却する
敷地が広い場合には、建物を取り壊して土地を分筆(分割)して売る方法も考えられます。広すぎる土地は一軒家としては需要が少なく、総額が高くなるため、1平米あたりの単価が割安になる可能性があります。
土地を分筆することで、売却総額が増えるケースもありますが、分筆には測量が必要で、時間と費用がかかることを考慮する必要があります。
一戸建てはマンションや土地に比べて売却が難しいことが多いです。これは、一戸建ての需要が減少しているためで、特に子どもが少ない世帯ではマンションが好まれます。
売却方法には「仲介」と「買取」があり、仲介は相場に近い価格で売却できる可能性が高いですが、時間がかかり、手数料も発生します。一方、買取は迅速な現金化が可能ですが、売却価格が低くなることがあります。買取保証もあり、仲介を試みつつ最終的に買取も可能です。
売却時には価格、費用、必要書類の確認が重要で、権利関係や建物の状態もチェックが必要です。また、離婚や相続、住み替えの場合には特別な注意が必要です。
築年数が古い物件は、そのまま売却するか、更地にして売却するかの選択肢があります。更地にすることで新築住宅を建てやすくなるエリアもありますが、取り壊しのタイミングや費用も考慮する必要があります。